「夜勤専従って体がもつの?」「月収40万円って本当に稼げる?」—こんな疑問を持っている看護師さんに向けて、この記事を書きました。
夜勤専従とは、日勤を一切行わず夜勤のみで働く勤務形態のことです。私の職場にも夜勤専従を10年以上続けている先輩がいますが、「昼間が完全に自分の時間になるのが最高」と言います。一方で、始めて3ヶ月で体調を崩してやめた同期も見てきました。向いている人と向いていない人がはっきり分かれる働き方です。
この記事では、給与の実態・向いている人の特徴・実際の始め方まで、夜勤専従に関するすべての疑問に現役ナースの視点でお答えします。
夜勤専従とはどんな働き方か?【まずは全体像を把握】
夜勤専従とは、文字どおり夜勤シフトだけをこなす働き方です。通常の三交替・二交替のローテーションに組み込まれず、夜間帯の勤務に特化して雇用契約を結びます。
月あたりの夜勤回数は施設によって異なりますが、常勤換算では月8〜10回が一般的です。1回の夜勤は2交替制なら16〜17時間。週換算すると実働2〜3日程度で、残りの日は完全にオフになります。
月あたりの夜勤回数
8〜10回
常勤換算の場合(非常勤は応相談)
月収の目安(常勤)
32〜40万円
手取りで25〜28万円程度
1回の勤務時間
16〜17時間
2交替制の場合(夕方〜翌朝)
主な勤務先
病院・老健・施設
特養・有料老人ホームでも需要大
夜勤専従には大きく「常勤夜勤専従」と「非常勤(アルバイト)夜勤専従」の2種類があります。常勤の場合は社会保険への加入義務があり安定性が高い一方、非常勤は複数の施設での掛け持ちや勤務日数の柔軟な調整が可能です。
| 項目 | 常勤夜勤専従 | 非常勤(アルバイト)夜勤専従 |
|---|---|---|
| 月収の目安 | 32〜40万円 | シフト次第(日給2.5〜3.5万円) |
| 社会保険 | 加入あり | 勤務日数による(週20時間以上で加入) |
| 有給休暇 | あり | 条件を満たせば発生 |
| ボーナス | あり(施設による) | 原則なし |
| 掛け持ち | 基本不可 | 可能な場合が多い |
| 向いている人 | 安定収入・福利厚生重視 | 日数・自由度を最優先したい人 |
夜勤専従の給料・年収の実態【数字で徹底比較】
夜勤専従の最大の魅力は、やはり高い収入水準です。一般的な常勤看護師の平均年収が470〜490万円といわれる中、夜勤専従では月収32〜40万円、年収ベースで500〜650万円を狙える可能性があります。
32万〜40万円
手取りは約25〜28万円(地域・施設規模によって差あり)
384万〜480万円
ボーナスありの常勤なら年収500〜650万円も可能
2万5千〜3万5千円
関東圏では3万〜3.5万円が相場。地方は2.5万円前後
収入を比較するときは、夜勤1回あたりの単価で比べるのが最も正確です。たとえば月10回夜勤で日給3万円なら月収30万円。月8回で3.5万円なら月収28万円です。回数が多ければ良いというわけではなく、単価と体への負担のバランスを考えて選びましょう。
夜勤専従(特に非常勤)はボーナスなしの施設が多くあります。月収32万円でも年収換算で384万円止まりになることも。常勤正職員(大病院・ボーナス4ヶ月)と年収トータルで比較すると逆転するケースがあります。求人比較のときは必ず年収ベースで計算してください。
夜勤専従の5つのメリット【高収入だけじゃない魅力】
夜勤専従を選ぶ看護師には、収入面以外にもさまざまな理由があります。私が夜勤専従を経験した先輩・同僚に話を聞いた中で見えてきた、5つの主なメリットをお伝えします。
- 通常より高い月収・時給単価
- 昼間の自由時間が確保できる
- 日勤の会議・委員会・研修がない
- 業務範囲がシンプルで予測しやすい
- 日勤リーダー業務のプレッシャーがない
- 体内時計が乱れやすく体調管理が難しい
- スキルアップの機会が少なくなる
- 家族・友人との時間が合わせにくい
- ボーナスなし・昇給機会が少ない施設も
メリット1:月収32〜40万円の高収入を狙える
最大の魅力はやはり収入です。夜勤手当・深夜手当が加算されるため、同じ勤務時間でも日勤より高い時給換算になります。たとえば月9回夜勤(16時間×9回=144時間)で月収35万円なら、時給換算で約2,430円。日勤のパートより明らかに高い水準です。
私の職場の夜勤専従の先輩(常勤・月10回)は「同期の日勤常勤より手取りで5万円多い」と話していました。毎月コツコツと差額が積み上がるため、数年単位で見ると大きな差になります。
メリット2:昼間がまるごと自由になる
夜勤明けや非勤務日の昼間は完全に自分の時間です。「認定看護師の資格を取るために勉強したい」「子どもが学校に行っている間に働いて迎えに行きたい」「副業や趣味の時間を確保したい」という方にとって、昼間が自由なのは大きなメリットです。
私の知人は夜勤専従で働きながら、昼間に医療系ライターとして収入を得ています。夜勤専従で固定収入を確保しながら、昼間に自分のやりたいことを追求するというライフスタイルを実現しています。
メリット3:会議・委員会・研修から解放される
日勤帯に行われる委員会活動・研修・病棟会議・記録整備—これらがほぼありません。「看護師の仕事は好きだけど、日勤帯の管理業務や書類仕事が苦手」という方にとって、夜勤専従は非常に働きやすい環境です。業務内容が夜間のルーティンに絞られるため、毎勤務の流れが予測しやすくなります。
メリット4:ルーティン業務が中心でプレッシャーが少ない
夜間帯はバイタル測定・巡回・急変対応・排泄ケアなど、業務内容が比較的パターン化されています。日勤のようにリーダーとして多職種調整・入退院対応・医師への報告を矢継ぎ早にこなす必要がなく、自分のペースで対応しやすいと感じる方が多いです。
「日勤リーダーのプレッシャーから解放されたくて夜勤専従にした」という先輩の言葉が印象的でした。リーダー業務が苦痛だった方には特に向いています。
メリット5:非常勤なら掛け持ちで収入アップも可能
非常勤の夜勤専従であれば、複数の施設での掛け持ちが可能です。週2〜3回の夜勤を2施設で行えば、月収50万円超を狙うことも現実的です。フリーランス的な感覚で自由に働きたい方には特に向いています。
夜勤専従の4つのデメリットと対策【続けるために知っておくこと】
高収入と昼間の自由が魅力の夜勤専従ですが、長期間続けるためにはデメリットと正直に向き合う必要があります。私が現場で見てきた「夜勤専従をやめた理由」の上位に挙がるものを正直にお伝えします。
デメリット1:体内時計の乱れと体調管理の難しさ
最大のデメリットは体への負担です。夜勤専従を始めた看護師の多くが口をそろえて言うのが「最初の3ヶ月が一番つらい」という言葉。体内時計が夜型に切り替わるまでに数ヶ月かかることが多く、この期間に睡眠の質が落ちたり食欲不振になったりするケースがあります。
私の同期は夜勤専従を始めた翌月から便秘・肌荒れが続き、3ヶ月目に体調不良で退職しました。最初の数ヶ月は特に意識的な体調管理が必要です。
夜勤明けはすぐに寝ようとするのではなく、帰宅後2〜3時間は起きていて、お昼過ぎに4〜5時間の睡眠をとるサイクルが体への負担を減らしやすいと言われています。遮光カーテン・耳栓・アイマスクは必需品です。また、夜勤前の食事は消化の良いものを心がけると胃腸への負担が軽減されます。
デメリット2:スキルアップの機会が減る
夜間帯は医師や他職種との連携が限られ、新しい処置や最新の医療技術を習得する機会が少なくなります。「夜勤専従を長く続けたらスキルが固まってしまった」と話す先輩もいました。将来的に管理職・認定看護師・専門看護師を目指す方は、夜勤専従期間を2〜3年に限定するなど計画的なキャリア設計が必要です。
デメリット3:家族や友人との時間が合わせにくい
夜勤専従の生活リズムは、社会一般の「昼間に活動、夜に就寝」とはほぼ逆転します。週末も夜勤があるため、家族との夕食や友人との夜の集まりに参加できないことが増えます。特にパートナーが日勤の場合、同じ時間に起きている時間が短くなり、コミュニケーション不足になりやすいという声をよく聞きます。
デメリット4:昇給・ボーナスが期待しにくい施設もある
非常勤の夜勤専従は基本的にボーナスがなく、時給ベースの契約のため昇給の仕組みもシンプルなことが多いです。短期的には高収入でも、10年単位で見ると常勤正職員(特に大病院)と総収入に差が出ることがあります。退職金制度のない施設も多いため、老後の資金計画は自分でしっかり立てておく必要があります。
夜勤専従に向いている人・向いていない人【相性チェックリスト】
「夜勤専従が自分に合うかどうか」は、収入面よりも生活スタイルと体質との相性で判断するのが正解です。以下のチェックリストで自分との相性を確認してみてください。
4項目以上当てはまる方は、夜勤専従との相性が良い可能性が高いです。逆に、以下のような方は慎重に検討してください。
- 睡眠の質が悪く、6〜7時間以上寝ないと体が回復しない
- 将来的に師長・主任・認定看護師・専門看護師を目指している
- 小学校以下の子どもがいて夜間の対応が必要な状況
- 過去に夜勤で体調を崩した・胃腸が弱い経験がある
- 夜の人付き合いや社会的なつながりを大切にしたい
- パートナーや家族が夜勤専従に難色を示している
夜勤専従を始める方法【4ステップと注意点】
実際に夜勤専従を始めるルートは大きく2つあります。①現職の病院で夜勤専従に切り替える方法と、②新たに夜勤専従の求人を探して転職・掛け持ちする方法です。どちらにも共通する4つのステップを紹介します。
常勤 or 非常勤、月収の目標額、月に対応できる夜勤回数(体力的な上限)、通勤可能なエリアを明確にする
現職の師長に夜勤専従への切り替えを相談する。対応が難しければ、転職サイトや掛け持ちで夜勤専従求人を探す
夜勤1回あたりの単価・ボーナス有無・夜勤体制の人数・施設の安全基準を確認する。ワンオペ夜勤は要注意
最初の3ヶ月は体への負担が大きい。睡眠・食事・体調を記録しながら、無理と感じたら早めに見直す
夜勤専従の求人では「夜勤体制の人数」を必ず確認してください。1人夜勤(ワンオペ)は急変時のリスクが高く、精神的な負担も非常に大きくなります。看護師2人以上の夜勤体制が組める施設を選ぶと、長期間続けやすいです。
よくある質問(Q&A)
Q. 夜勤専従でも有給休暇はとれますか?
Q. 夜勤専従は年齢が高くても続けられますか?
Q. 夜勤専従から日勤メインの働き方に戻ることはできますか?
まとめ
- 夜勤専従とは夜勤のみで働く勤務形態で、常勤・非常勤の2種類がある
- 月収は32〜40万円(常勤・月9〜10回)が目安。ボーナスありなら年収500〜650万円も可能
- メリットは高収入・昼間の自由・委員会や会議からの解放・ルーティン業務中心の安定
- デメリットは体調管理の難しさ・スキルアップ機会の減少・生活リズムのずれ・ボーナスなし施設
- 向いている人は夜型・昼間の自由を活かしたい・収入を優先したい看護師
- 求人選びでは夜勤単価・ボーナス有無・夜勤体制の人数を必ず確認する
- 最初の3ヶ月は体への負担が大きい。試用期間中に体との相性を見極めることが重要
夜勤専従は「向いている人には最高、向いていない人には過酷」な働き方です。高収入と昼間の自由を両立できる魅力がある一方、体質・ライフスタイル・キャリアプランとの相性を見誤ると早期に行き詰まります。まずは非常勤で月2〜3回試してみて、体の反応を確認してから本格的に移行するのが賢明な進め方です。ご自身の体質とライフスタイルをよく見極めた上で、夜勤専従という選択肢を検討してみてください。
看護師の多様な働き方についてもっと詳しく知りたい方は、「看護師が夜勤なしで働く方法|日勤のみへの転職先と年収の実態」も参考にしてください。夜勤専従と真逆の働き方として比較してみることをおすすめします。
